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小高い丘に、こんもりと繁った常緑の松林、周りには畝が規則正しい秩序で、幾千条も連続する畑、中央には、白くて丸く高い煙突、偶に黒い煙がポッと出て、白い煙が後を継ぐ・・・・。誰でも記憶の底にある火葬場の原風景とは、大体このようなものだったのだろうか。寒風吹きすさぶ中、コンクリートの四角い箱は汚れて侘びしい。入り口の錆び付いた鋼鉄製の框戸は、建付けが悪く、完全には閉まらず、雪混じりの風が細い一筋の帯となって、土間の床を濡らす。嘗て火葬場での儀式は、なんともの悲しく、辛いものであったのか。火葬場から斎場への変身は、ただ呼称だけの変化ではない。そこには峻厳な儀式に対する静謐な空間が連続して用意されねばならない。斎場という非日常的な空間では、人の気配を意識的に避けることによって、儀式空間の情景を創る。この非日常的空間へ毎日通ううちに、逸る心は次第に落ち着き、凝縮された小宇宙に邂逅したとの思いが、強く心に刻まれた。
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210mm×210mm、モノクロ二色刷、写真図版点数103点、
108ページ、ハードカバー
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ASAMI Design 阿佐見昭彦 宛
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